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暗号学園のいろは

【あらすじ】

来たる次の大戦に備えて創設された暗号学園に入学したいろは坂いろはは、洞ヶ峠凍からもらった眼鏡兵器を駆使し世界の戦争を停めるために躍進するのだった。

【発売年】

2022年

【出版社】

集英社

【連載誌】

週刊少年ジャンプ

【巻数】

既刊5巻(2024年1月4日現在)

【上位レビュー】

暗号という難しい題材を扱っている今作。なかには“難しそう”“頭使いそうなのはちょっと”と、離れてしまう人もいるかもしれません。しかし私は、本作の真の魅力は王道少年漫画らしい本筋の展開と個性の強いキャラクター造形にこそあると思っています。暗号はそのストーリーを盛り上げる舞台装置。探偵漫画における推理のようなものですね。誰にでも解ける暗号は暗号として機能していないのです。ぶっちゃけると私は、第一話の段階から暗号解読はキャラクターの説明に任せています!それでもこの作品はとんでもなく面白い。原作:西尾維新先生らしさ溢れる言葉遊びや台詞回しも健在で、作画:岩崎優次先生の熱のこもった作画と合わさって最強の漫画が爆誕してしまったと慄いています。是非読み続けてほしい。私はジャンプ本誌で連載を追っていますが、1巻の範囲より2巻の範囲が、2巻よりも3巻の範囲がーーー、とどんどん面白く熱くなっていくのが本作です。キャラクターにフィーチャーすると、いろは坂いろは(表紙の子)!一見可愛らしい美少女ですが、その実ジャンプ主人公らしい熱い男の子!普通に可愛く、普通に格好良く、普通に好きになれて、普通に応援したくなる、新時代の最強主人公だと思います。彼をはじめとし、暗号学園には個性豊かで魅力の塊のようなキャラクター達がわんさか出てきます。是非とも推しを見つけて欲しい。今イチオシの少年漫画となっています。こんなにも熱くなれる漫画に出会えてよかったと、心底から思います。

ジャンプ本誌を読んでいるため基本コミックスは買わない人間ではありましたが、暗号学園のいろははコミックスでまとめて読み直したいと思い購入しました。西尾節とも言いましょうか、独特な言い回しやキャラそれぞれの口癖などがとても印象に残り、ところどころで魅せてくれる立ち姿もスタイリッシュでカッコよくとても好きです。キャラ同士の掛け合いも多く、そのどれもが面白い上にテンポ良く繰り広げられているのでどんどん読み進めてしまいました。暗号を解くための真面目なシーンとギャグ要素の盛り込まれたシーンがバランスよく供給されるので、頭を使いすぎて疲れることも無く楽しむことが出来ました。自分は暗号をすぐ理解できるほどの頭の良さも察しの良さも無いので、解説を何度も読み返したりしなければならないですが、それはそれで理解出来た時の嬉しさもあるのでそこも楽しいです。本誌でもさらに面白い話ばかりだったので、次巻の発売も楽しみに待っております。

まず絵が上手い。背景もキャラも全部の作画が安定しているしちゃんと分かりやすい。そしてストーリーも、引きや展開運びがかなり手練れていてしっかり面白い。作画の岩崎先生にも原作の西尾先生にも盤石な実力が備わっていて最近のジャンプ新連載で最もちゃんとしている漫画だと思う。キャラも良く、西尾維新らしい癖の強さに最初は困惑すれどだんだん振る舞いのヘンテコさや愛嬌が好きになってくる。キャラ同士の細かいやり取りや小ネタや伏線も多く、例えば東洲斎さんが側近をかわいい呼び方をしていたり、登場キャラたちが主人公の自己紹介の一文"言われたい褒め言葉"の内容をずっと擦り倒していたりして面白い。西尾維新の好む言葉遊びも豊富なのだが、これも何気に枠外で洞ヶ峠凍ちゃんが解説していてくれており親切。ちなみに、暗号部分はだいぶ難しいが基本的に読者が解くことを想定している漫画ではないので(解こうと思えば解ける)そのまま次の謎解き・答え合わせパートを読んでもちゃんと面白い。

【下位レビュー】

原作者のオリジナル暗号問題がたくさん出てきますが、難問ばかりで解けませんね……。原作者の過去作「めだかボックス」にも暗号問題があったのを思い出すと懐かしい。ただ、キャラクターが可愛くなく、敵キャラと可愛くなく、ストーリー展開もうーんという感じ(暗号ばかりでサクサク読めないからかも)。原作者はヒットメーカーですが、この作品は自分にはハマリませんでした。

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