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恋は双子で割り切れない

【あらすじ】

我が家が神宮寺家の隣に引っ越してきたのは僕が六歳の頃。それから高校一年の現在に至るまで両家両親共々仲が良く、そこの双子姉妹とは家族同然で一緒に育った親友だった。見た目ボーイッシュで中身乙女な姉・琉実と、外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織。そして性格対照の美人姉妹に挟まれてまんざらでもない、僕こと白崎純。いつからか芽生えた恋心を抱えてはいても、特定の関係を持つでもなく交流は続いていたのだけれど――。「わたしと付き合ってみない? お試しみたいな感じでどう?」――琉実が発したこの一言が、やがて僕達を妙な三角関係へと導いていく。

【発売年】

2022年

【出版社】

KADOKAWA

【連載誌】

電撃文庫

【巻数】

既刊5巻(2023年3月現在)

【上位レビュー】

双子。幼なじみ。双子の姉と別れたところから、物語がはじまる。コミカライズして序盤が懐かしくなり、読み返しに来ました。何がすごいかって、プロローグから、主人公の純、双子の姉の琉実、双子の妹の那織、3人の1人称視点があり、それぞれに感情移入させられるという。短いページながら、作者の技量で取り込まれちゃいますわ。初っ端から切ないんですよこれが。だって、それぞれの視点アリで、別れたところからはじまるんですぞ!?普通は別れてはいお終い、なのに、双子であること、幼なじみであること、その他諸々のしがらみのために、それぞれが距離を取ることもできず。視点の書き分けが上手いから、純が双子を振り回してるようにも見えるし、双子が純を振り回してるようにも見える。真面目すぎて不器用な琉実、弱面倒くさい純、超面倒くさい那織、この3人のこじれた関係性に、まあ読ませられますわ。これは純だけの物語じゃない。3人の物語。最後まで読めばそれが分かるはず!ラブコメにも色んな形がある現代ではございますが、未だ残る王道の1つに、紆余曲折を経て1人のヒロインとくっ付くというパターンがある。冒頭からそのパターンから外れ、群像劇とも呼べる視点移動があり、3人ともが主人公の今作。

クセが強い。文章に散りばめた圧倒的なエンタメ、難解な熟語、辞書がないとついていけない。でも、辞書片手についていくと、いつの間にか虜。

【下位レビュー】

まずプロローグが3つあって、各キャラクターの独白から始まっているというのに本編(一章~)が一人称視点という時点でちゃんちゃらおかしい。それに、一章の間でも視点が変わる時点で読むに堪えない。私は、小説を書くにあたって小説内でコロコロと視点が変わる一人称小説はご法度だと認識しているのだがこれはアリなんだろうか。ナシだろ。それに神宮寺姉妹の性格がクソ。主に妹。ちょっとこれは頑張っても読めないレベルの性格の悪さ。あと、これは一部だが、ページのど真ん中にズバっと線が引かれていて、上の段がヒロイン目線、下の段が主人公目線、という斬新にも程がある書き方をしている。ここまでするのなら三人称視点で書けばよかったものを、何故頑なに一人称視点に拘ったのだろうか。最早どう読めばいいかわからない。斬新を通り越して、小説の書き方を学んでから出直してこい。という感じ。よく編集者は許したな、と思いましたね。これが何巻も続いているのだから不思議で仕方ない。

全編を通して作者の「ほら、ボクって物知りでしょ?」「頭いいでしょ?」という承認欲求がぷんぷん臭ってきて、不快極まりなかった。主人公と双子の妹は、作者が知識をひけらかすために作られたかのような現実味のかけらもないキャラ、双子の姉や主人公の友人などもとってつけたような魅力のないキャラ、ストーリーも心の底からどうでもいいような蘊蓄の垂れ流しをやめたら半分くらいの厚みになるんじゃないかという薄い内容。あ、内容が薄いからとりあえず蘊蓄垂れ流しでごまかそうとしたのか(笑)

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