【あらすじ】
両親を交通事故で亡くした歩純結彩は、母親の靴工房「ホズミ靴工房」を継ぐ。入学式に行かなかった高校生や、母親が営んでいたころに来店した再来店の会社員、40歳近くになってから大学に入学した女性など、様々な人が「ホズミ靴工房」を訪れる。結彩はその一人一人に向き合い、靴を作ることを通して、悩みに寄り添った言葉をかける。また、母親が作った靴の持ち主を探している。
【発売年】
2022年
【出版社】
講談社
【連載誌】
モーニングtwo
【巻数】
既刊2巻(2023年8月23日現在)
【上位レビュー】
Twitterで作者さんが1話を公開していらっしゃるのを拝見して、気になったので購入しました。生きていると、幸せばかりでなく、誰しも様々な辛いこたや苦悩を経験します。でも、そんな中でも優しさに戸惑ったり迷いながらその人なりのペースで前進していく、そんな大切なことを感じる良い作品だと思いました。それは、同じ作者さんの「珈琲をしづかに」にも共通すると思いました。今、大好きな作者さんです。
靴を通して履く人の人と成りを優しい目で見つめている。この手の作品は作者の主観でストーリーに都合の良いキャラクターを作りがちだけど、この作品ではお客様となる方はいつかの自分のように、ありふれた事情を抱えた人々であり、その姿のありのままを対話によって理解していく過程が楽しい。それは自分にはできない事だからこそワクワクしました。
絵柄からはただのいい話に思われそうですが、一足の靴を作るのに、どれだけの想いと手間を掛けるかを丹念に描いていく本格的なストーリーです。無理にドラマチックの展開することなくじっくりと進んでいく好感度の高い作品です。
【下位レビュー】
主人公も物語も顧客も一切悪くないですが読んでいて不快感が残ります。理由は明白で、若い職人である主人公を下に見ているやつがちょいちょいいるから。同じジャンルの漫画である「IPPO」の若手主人公は問答無用の凄腕で展示見本をチラ見させるだけで客を黙らせていたことを鑑みてもやはり難を感じるところ。ジャンルは全く別ですがマッサージ漫画の「フミさんフミフミお願いします」もやはり若い女性でかつ人柄が優しい主人公の接客業ということで読者視点だと少しでも不快な客がいると結構気になってしまう作品でした。