【あらすじ】
高校1年の秋、公園で雨に濡れたまま動かない「天使様」こと椎名真昼を見かねて差していた傘を押し付けた藤宮周は、日頃の不摂生がたたって風邪をひいてしまう。傘を返しに来た真昼はその事に罪悪感を抱き看病を申し出たが、隣人である周の汚部屋とあまりに不摂生な食生活を見て呆れ、掃除の手伝いやおかずの差し入れなどをするようになり、やがて周の部屋で夕食を作って食卓を共にするようになった。作り物のような「天使様」に興味を持たないが紳士的な周と、「天使様」としてではなく率直で辛辣な素の態度を示す真昼。同じ時間を共有する内に2人は徐々に打ち解け、お互いの事を知り、少しずつ惹かれ合っていく。
【発売年】
2022年
【出版社】
スクウェア・エニックス
【連載誌】
マンガUP!
【巻数】
既刊3巻(2023年12月現在)
【上位レビュー】
WEB版から本作のファンです。書籍も全巻購入しています。本作の魅力の一つに『ヒロインの魅力』は間違いなく挙げられるでしょう。本作のヒロイン: 椎名 真昼さんは『このライトノベルがすごい!2022』のキャラクター女性部門で見事1位に輝いた実績の持ち主です。勿論、それは一つの指標に過ぎませんが、多くの方に『魅力的』と判断されたことも間違いないのことだと思います。で、本作を読み始めましたが、絵がとても丁寧に描かれています。既にWEB版や書籍版で何度も読んだ箇所ですが、絵によるイメージも加わったことで視覚的にも楽しめます。本当に作画担当と構成担当の方に感謝したいです。作品としては「かなり糖度が高い」と思います。でも、嫌な甘さじゃありません。非常にもどかしく感じられるようなシーンも多々ありますが、自然に二人の距離が近づいていくような作風です。恋愛系の作品を好まれる方はぜひ購入を検討してみてください。オススメします。
アニメ化も決まっている超有名な両片想いモノのコミカライズ。原作1巻中盤までが描かれており、今となっては懐かしいツン状態の真昼を見ることができる。特筆すべきはそのクオリティの高さ。キャラデザだけでなく作画能力、コマ割りから崩し絵まで非常にレベルが高く、原作の雰囲気を100%再現している。ここまで完璧なデキのコミカライズというのは見たことがない、といってもいいかも知れない。こんな事できるんだ。読み終わった後素直にそう思った。
コミック化ではガッカリさせられる作品が多い中、可視化される事によって、真昼の可愛らしさがより際立っていて、とても良い。原作小説からのファンで、現在の6巻(2022年7月現在)の甘々な2人の出会ったころの淡白なやり取りが逆に新鮮で、原作を読み直してしまった。続刊が早く出て欲しく、又、原作の甘々なやり取りまで追いついて欲しい。
【下位レビュー】
主人公は人に嫌われる事を恐れてる割にはヒロインへのスキンシップが過激だったりとそういう細かい設定の練りが甘いのかなと思う。読み進めるほどにそれが顕著に出てきて、ストーリーに対する違和感がいつまでも付きまとって来るような感覚。キャラクターは魅力的なのに勿体ない。この巻はヒロインのターン、この巻は主人公のターンという謎ルールのせいでキャラクターの動機が無理やりに設定されているように感じられたりと結構うんざりしてくる。人形の決まった関節しか動かしていないような感じ。この作品オリジナリティを感じさせるような決め手に欠けるとも言える。作者自身がキャラクターにさせたい動きをさせるばかりにキャラクターの背景が置き去られるような感じがして少し寂しさも感じられる。4巻で彼は言う「女の子の体に勝手に触るのはセクハラだよな」と、何を今更と、紳士さんはどこへ行ったと、感じるのはほとんどの読者がそうだと思う。ぶっちゃけずーっとこのやり取りの繰り返しだ。